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秋のS.L.S.② 紙ひこうき | main | 短くも美しく燃えて・・・
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秋のS.L.S.① 「逢いたいよ」
小説の方、秋のS.L.S.(ショートラブストーリー)と題して連載したいと思います!またまた企画です。企画倒れしないようがんばるっちゃ!レッツゴー!笑
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 

 秋色の空は高く、それは夕日に染まっていた。裕美は、番組ディレクター田澤と西湘バイパスを横浜方面に向かっていた。裕美は小旅行をテーマにした土曜の午前に放映されているTV横浜の15分番組のレポーターを務めている。これを月に2本受け持つ。今回は箱根での2本撮りだった。湯本の駅前でロケバスから降りた裕美は、小田急に乗る振りをして田澤の車に乗り込んだのだった。

「視聴率上がらずで困ったもんだ」田澤は言った。右手には薄暮の海が広がる。
「私が悪いのかしら」裕美はじっと田澤を見て言った。
「俺が悪いんだよ」サイドミラーに目線を移し田澤は言った。
カーステからは大人のバラードが流れている。
「俺は音楽番組をやりたかった」
「それだったら私とも出会わなかったわよね?」
「わりっ、そんなつもりじゃ・・・」
「うふふ、田澤さん困ってる」
「寄ってく?」
バイパスを降りた先に色鮮やかなネオンが見えた。裕美は小さく肯づいた。
 広いダブルのベッドで息を切らした二人。裕美は田澤の腕にしがみ付いたまま気持ち良さそうに目を閉じていた。その裕美が言った。
「ねぇ、番組のラストにドラマなんて入れるのはどう?」
「ドラマ?」
「そう、音楽ビデオみたいな感じかなっ」
「それって音楽Vみたいだな」

 それから田澤は編集があると言い、裕美は自宅アパートの前で降ろされた。階段を上ると、玄関前に人影があるのに気付いた。それは元カレの健二だった。
「ごめん、こんな遅くに」健二は言った。
「健二には悪いと思ってる」裕美は言った。
「そんなに有名になりたいのか?あの男に弄ばれてるだけじゃないのか?」健二は裕美の袖をねじり上げ大声で言った。
「やだ、静かにしてよ!」
「ごめん・・・」
「健二の気持ちありがたいよ。けど今は彼のこと好きなの!」
「わかった。じゃあもう来ないよ」
裕美は、そう言って去って行く健二の背中を見送った。部屋に入ってシャワーを浴び落ち着く。テーブルに立てかけたままの健二とのツーショット写真が気になり、ふいにそれを引き出しにしまった。涙が溢れた。健二の女友達を浮気相手だと思い込み、別れてしまった自分が情けなかった。そのとき優しくしてくれた田澤のことを好きになってしまった現実。健二とその女友達との関係がシロだったと気付いてからでは遅かったのだ。健二は裕美より二個年下だった。裕美から見て、ちょっと頼りない感じが疲れなくて程よかった。それなのに何故田澤のような大人の男性に惹かれたのか?それは本来持つ女性の理想なのかも知れないのだが。
TV横浜のアナウンサーに受かったとき、誰よりも喜んでくれたのが健二だった。二人でみなとみらいで乾杯した。そのとき健二は言った。
「有名になっても俺のこと愛してよね」
私は答えた。
「あたり前でしょ。世界中の誰よりも健二が好き!」
その夜、大さんばしの芝に寝転がり、永遠よりも長いキスをした。あれから半年が過ぎていた。
深夜にも関わらずノートパソコンを開く。自分のオフィシャルブログに繋いだ。今日もハマカゼさんからコメントが入っていた。開設以来のお友達だった。ブログの世界は独特で、身近であり遠い存在でもある。アナウンサーともなると、自らの恋バナは禁句と思っていたが、この夜、ハマカゼさんのブログで自分のことが書いてあった。彼は、「アナウンサー裕美に恋してる」と冗談まじりに語っているが裕美自体は嬉しく思う反面、あまり気にしていなかった。裕美はとにかくファンを大切にしようと思い、「裕美、ハマカゼさんのような人好きですよ!」とコメントを入れた。

 ひと月後、裕美が田澤に提案した音楽ドラマの企画が番組構成を変えた。そのとき出演したアイドルを田澤が誘ったという情報を聞いた裕美は、嫉妬して自分から連絡取るのをやめた。そもそも彼から連絡してくることが少なかったことに、愛のアンバランスをも感じていたのだが…。今晩もハマカゼさんからコメントが来ていた。

 晩秋の夜、裕美は元気をくれるハマカゼさんを改めて愛しく思えた。そしてある決意をして彼のブログから直メをしてみた。
 裕 美[ハマカゼさんて、お幾つなんですか?]
ハマカゼ[おれは裕美さんよりは年下かもよ~]
 裕 美[嘘でしょ?ブログ見てると頼れる男って感じだったから・・]
ハマカゼ[大人にならないと彼女のこと幸せに出来ないからね]
 裕 美[そうかなぁ~。ところでハマカゼさん、彼女さんいるの?]
ハマカゼ[振られました。だからおれはこんなことしてるのかな(笑)]
 裕 美[私も振られました(笑)]
ハマカゼ[そう・・・]
そのあと待ってみたが、相手からメールの続きは来なかった。
 裕 美[オヤスミ(笑)]と入れて電源を切った。

寝ようとしたとき、ケータイの着信音が鳴った。それは健二の音楽だった。
「もしもし」裕美は嬉しそうな声で言った。
「裕美?」
「うん。そうだよ」
「なんというか、話づらいけどさぁ。はまかぜって俺なんだ」
「健二、ありがとう。私気付いてたよ!?」
「どうしてバレたんだろ?」
「コメントの最後のオヤスミって言葉。半角でいつも私に入れてたでしょ?それから、私の気持ちを動かせるのは健二しかいないって思えてきて・・・」
「泣くなんて裕美らしくないよ!これからも応援するからなっ」
「逢いたいよ」

  -完-
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

| 恋愛小説 | 20:54 | トラックバック:0コメント:2
コメント
色々情報満載のブログですね・・
v-350色々巡っていたら、たどり着いてしまいました。
いろいろ深い内容の文章を書かれていますね・・・v-348

また、来たいと思いいます。

宜しくです。

応援ポチッと・・・
2007.02.26 Mon 22:51 | URL | ★ とも ★
★ とも ★さんへ
ありがとうございます!
これからも書いていきたいです。
こちらこそよろしく☆
2007.02.27 Tue 14:21 | URL | POPSTAR
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東京都出身、横浜市在住
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